キャリア6
令和二年5月17日日曜日
「キャリア6」
10年前の12月15日
藤澤元宏が働き始めた。
入社した時はシャンプーぐらいしかできなかった。
修行は積んだが
実際にお客さんの髪の毛を切ったのは
3年以上経ってからだった。
今思えばなんでそんなに時間をかけていたのだろう。
狐嶋さんの若いときの修行のやり方
と言う固定観念がそうさせていたのだろう。
元宏にはかわいそうなことをした。
元宏の後にも後輩が何人か入ったが長続きせず辞めていった。
元宏は度々起こる夫婦喧嘩の嫌なムードの中でもめげずに
頑張って働いてくれていた。
ワタクシいっちゃんと言えば、
その頃は一生懸命に宣伝の勉強をして
どんどん試していた。
チラシを作って走り回ってポスティングのローラー作戦をしたり、
パソコンなんて縁がないと思い込んでいたが
ノートパソコンを買って
ホームページを作ったり
FacebookやTwitterなど新しいものにどんどんチャレンジして行った。
元宏が3年目位の時に
初めて専門学校の理容科に求人票を出した。
それまでは、ハローワークに求人を出すにとどまっていた。
ウチみたいな家族経営のところに専門学生が面接に来るなんてありえないと思い込んでいた。
でも、初めて提出したその年
3人の新卒採用が出来た。
二人は神戸の専門学校から、
一人はTwitterを見て応募してくれた徳島の女の子だった。
曲がりなりにも理容師を目指して高いお金を使って専門学校に行った子たち。
それまでに入社した子と違って
すぐにシャンプーも覚えられた。
専卒生っていいなぁとつくづく思った。
『インフィニィト』がどんな考え方でやっている店なのかを
『言葉にして書いたもの』を見た上で
来てくれた、それが大きな変化だった。
つまり、『マッチング』が上手くいったということだ。
899日目。
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